次、読みたい本が見つかる!本屋大賞のすゝめ
基礎知識、雑学
18年7月10日
皆さんは最近本を読みましたか?大学への通学時間や寝る前のリラックスタイムなどに読書をするという方もたくさんいるのではないでしょうか。世の中にはあまりにもたくさんの本がありますが、皆さんはどのようにして読みたい本を見つけていますか?
話題になった本、書店で目立つ場所に並んでいる本、知り合いに勧められた本などが手に取られやすいと思いますが、もうひとつ、「賞を取った本」というのもまた、手に取られやすいですよね。今回は、その「本の賞」についての話をしたいと思います。
娯楽以外での読書
読書が好きな人にとっては、面白い本を読むことは趣味や娯楽に分類されます。しかし、就職活動に向けて準備をする中で、OBやOGの先輩から「本を読むといいよ」とアドバイスされることがあったり、就活に関する書籍やサイトに読書を勧めるような言葉があったり、また大学でも教授が「本を読みなさい」と学生に声をかけるような場面もよく見ます。多くの人が勧めたくなる読書の魅力に、皆さんは気づいているでしょうか?
一般的によく言われる読書のメリットは、「語彙力がつく」「知識や想像力が豊かになる」などです。また、社会に出て仕事をする際のアイデアの源泉にもなり得るのが読書から得た知識です。自分で実際に体験した事と同じように、読書体験は記憶に残り、自分のアイデアの引き出しを充実させてくれます。
本の賞はたくさんあった!
テレビや新聞のニュースなどでも取り上げられるような大きい文学賞、たとえば芥川賞や直木賞は、本にあまり馴染みがない方でも耳にしたことがあるのではないでしょうか。しかし、本にまつわる賞というのは、私たちが知っている以上に多く存在します。小さいものまで数えていくと、その数は日本国内だけでも100や200を超えてくるほどです。今回は、その中でも他の文学賞とは少し毛色の違う「本屋大賞」の話をします。
本屋大賞ってなに?
2004年に第一回が開催された本屋大賞、2018年の今年はもう15回目の開催になります。出版不況と呼ばれる現代で、書籍の売り上げを伸ばすことに繋がったこの本屋大賞。毎年一回選考が行われるのですが、その選考方法が他の文学賞との大きな違いです。
「本屋大賞」は、本屋さんが売りたい本を選ぶ
本屋大賞は、書店員の投票によって選出されます。これまでの文学賞よりも一般の読者に近い目線で選びたい、ということと、書店員の声を拾い上げたい、という思いで設立されたとか。
投票資格のある書店員は、新刊を扱っている書店の店員であれば、アルバイトもパートも含む、としています。他の文学賞は“選考委員”と呼ばれる出版社の社員から選ばれたスタッフが行うので、選考方法がほかの文学賞とは大きく異なることがわかります。
この賞のキャッチコピー「全国書店員が選んだいちばん!売りたい本」の通りに、書店員が直接選べるという選考方法を取っているのです。また、芥川賞や直木賞は新人、無名の作家が対象になりますが(直木賞は中堅作家も対象に含む)、本屋大賞の対象作品は「過去一年間に刊行された日本の小説」とされています。また、「発掘部門」では、ジャンルを問わず過去に出版された本の中から書店員がオススメの本を選んで投票します。
2018年受賞作品
では、書店員の投票というシステムによって選ばれる本はどのようなものなのでしょうか。
2018年の本屋大賞の選考は、実は2017年11月から始まっていました。一次投票、二次投票と選考を重ねてようやく4月10日に発表された、今年受賞した本を見ていきましょう。
■2018年本屋大賞上位作品
1位 かがみの孤城 辻村深月(ポプラ社)
2位 盤上の向日葵 柚月裕子(中央公論新社)
3位 屍人荘の殺人 今村昌弘(東京創元社)
4位 たゆたえども沈まず 原田マハ (幻冬舎)
5位 AX 伊坂幸太郎 (KADOKAWA)
ここでは本屋大賞受賞作品の上位5作をご紹介しましたが、本屋大賞は10位まで発表されており、また、翻訳小説部門、超発掘本!として既刊の書籍なども受賞作品として発表されているので、気になる方は本屋大賞のホームページなどで調べてみてください。
このコラムが本好きの方の次の一冊を決める手助けになればと思います。また反対に、普段はあまり読書になじみがない…という方も、気になる本を手に取る機会を作れたら幸いです。
夏休み目前の今の時期に、自宅やカフェで読書をする!というのはいかがでしょうか。