本から学ぶ★わたしの一行
雑学
18年7月09日
そろそろ夏休み!夏休みといえば、バイト?旅行?
でも、ゆっくり読書もありなのでは?
ここでは、私が読んだ本の中での大好きな1行を紹介します。気になったものがあればぜひ、手にとってください。
1.「鉄道は、ありとあらゆるものを乗せることができる。」そして土地と土地を繋ぎ、人と人を結びつける。「でもな、そんな鉄道にも、たったひとつだけ、どうしても乗せられないものがあるんだ。何だかわかるか?」(小暮写真館 宮部みゆき 講談社)
大切な人と、思いがけず別れることになった主人公。その人が今どこで何をしているのかわからない。一生会うことはないかもしれない。そんな主人公に、友人が出したクイズです。
中3の時にこの本に出会い、初めて読んだときはさっぱり訳が分からなかった。だけど、出会いと別れを繰り返して、ちょっと成長した自分が高3の時に読んだら、このクイズの答えに納得しました。
出会いがあれば別れがある。「ずっと親友」なんてクサイ落書きをしたプリクラをとった友達だって一生一緒にいるわけじゃない。「会者定離」だけど、それでいいんだ。って思える答えです。正解は、読んでみてのお楽しみ!
2.奇跡というものがこの世にあるのなら、それをおこせるのは、ただ神にすがり、祈る者ではなく、こういう決断ができるものではないだろうか。(蒼路の旅人 上橋菜穂子 偕成社)
一国の皇太子が滅びの危機にある自分の国を守るため、捨て身の覚悟で大きな決断をします。この国では、皇族は神の子孫。帝が祈れば奇跡が起こって最後に国は救われると考えられています。しかし、この皇太子は、自ら行動を起こします。その様子を見守っていた、近衛侍の言葉です。
神頼みなんてしない。努力しよう。実力で合格を勝ち取ってやる。受験期の私を支えてくれた一行です。
3.「才能っていうのはさ、ものすごく好きだっていう気持ちなんじゃないか。どんなことがあってもそこから離れられない執念とか闘志とか、そういうものと似ている何か。」(羊と鋼の森 森絵都 文春文庫)
新米ピアノ調律師の主人公が、調律の腕がなかなか上がらなくて、焦っていた時に先輩にかけられた言葉。調律に才能は必要なのかと問う主人公に、才能とは何なのかを説く言葉です。人と比べて落ち込んだり、うまくいかなくて焦ったり。そんなことはいっぱいあるけど、好きだと思い続けられるってのはすごい才能なんだ。努力し続けられるのが才能なんだ。
まっすぐな言葉がすとんと落ちる、素敵な小説です。
どうでしょう。ぜひ、この夏、手に取ってみてくださいね。