人間の多様性のひとつ★「Xジェンダー」ってなに?
基礎知識、雑学
18年6月29日
「LGBT」って知ってますか?
(耳たこな人は、数行飛ばしてください。)
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★LGBTとは・・・
L レズビアン :女性同性愛者
G ゲイ :男性同性愛者
B バイセクシュアル :両性愛者
(LGBは性的指向の話。誰を好きになるか、という心の話。)
T トランスジェンダー :心と体の性がちがう人
(Tは性自認の話。自分の性がなにか、という体の話。)
の頭文字をとった、セクシュアルマイノリティの総称です
自分が何者で、誰を好きになるか。あるいは、好きになることがないのか。
そういうアイデンティティの問題です。だからマイノリティだといわずとも、誰しもに関わってくるテーマなのです。
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トランスジェンダーとは、性別に違和感がある人のことをいいます。
MtF:男性の体で生まれたけれど、心は女性である人。というより、女性なのに男性の体に生まれてきてしまった人。
FtM:女性の体で生まれたけれど、心は男性である人。というより、男性なのに女性の体に生まれてきてしまった人。
手術やホルモン投与で、望む性に変える人もいます。
けれども、この男女二元論に当てはまらない人もいます。
「Xジェンダー」(エックスジェンダー)です。
これは、日本特有の呼び方だとも言われています。
Xジェンダーといわずに「クィア」「ジェンダークィア」と表現する人もいます。
クィアという用語は、もともと「変わり者」を意味しますが、「変わってますけどそれがなに?」みたいに差別用語を逆手にとって使われた経緯があります。
Xジェンダーは、
・男性でも女性でもある人
・男性でも女性でもない人
・性別の型にはまりたくない人
など、いろいろなタイプの人がいます。
そうした「男性」「女性」の枠組みを取っ払って、その二元論からはみ出た人たちという括りでしょうか。
むしろ、なんでも「男性」「女性」にハッキリ分ける方が難しい・ややこしい・・・という考え方もあります。
「与えられた性別に違和感がある」という意味では、Xジェンダーもトランスジェンダーに含むことができます。
思い出してください。
数学で「X」 ってしょちゅう出てきましたよね。あるいは理科で、「X線」とか。
なんだかわからないもの、今までの言葉だけでは説明できないもの、変わりゆくもの。
性の話をするときに、従来の男女二元論では容量オーバーでなんだそりゃ、となった性別をまとめて「Xジェンダー」としちゃってるわけです。
そのため「Xジェンダー」だと自認する人たちがいても、同じ性別だということを意味しません。
たとえば!!
この混沌を、色に置き換えてみましょう。
今この世の中には、二つの色しかありません。
黒と白です。
白黒カメラで見える世界でも、わたしたちは不自由なく暮らしていました。
ある日、見たことのない扉を発見しました。そこを開くと、黒でも白でもない色が飛び出してきました。
赤、緑、青、黄、紫、黄緑、茶、グレー、ピンク、オレンジ、、、
いろいろな色がありました。黒と白の二色しかないと信じていたわたしたちは、その溢れんばかりの多様な色たちを、「X色」と名付けました。
大雑把にまとめて「X色」と呼んでいるからといって、「赤と緑が同じ色」なんてことはありません。
それと同じことです。
黒と白=男性と女性
それ以外のX色=Xジェンダー
Xが含むものは、とてもひとことでは説明できません。今までの二元論では片付けられないものをひとまとめにそう呼んでみただけです。
「X色」の中でも区別して、「赤」「緑」と分けてみる日がくるかもしれないし、「赤」と「ピンク」は同色だと見なされるかもしれない。
細かく識別した方がスッキリする人もいれば、ざっくりな色分けの方がラクだと感じる人もいる。
同じように虹を見たときだって、地域や国によってあれが何種類の色かカウントするとバラバラになるくらい、多様性ってあるものだなあ。
「Xジェンダー」は、そんな多様性のひとつ。そう考えたらむしろ自然なことなのかもしれません。