“ほんまの幸せ”に触れてみて!『この世界の片隅に』
映画
17年9月14日
「忙しい」=「幸せ」なの!?
大学生って、本当に夏休みが長いですよね!!と言っている間に、夏休みの後半戦がやってきました。 皆さんは、どんな夏休みを過ごされていますか?バイトに明け暮れる人、ボランティア活動する人、留学する人・・・。大学生って、高校までと違って課題とかも出ないし、バイトもたくさん出来るし、自分が「何をするのか?」という「選択肢」が非常に多いように感じますよね。
そして、せっせと「動いている人たちがカッコ良く」見えて、「あぁ私なんてダメだ~~」と落ち込むことありませんか?そんなあなたに少し立ち止まって考えてほしいのです!「“しあわせ”って何だろう?」という事を。そんな疑問のヒントを与えてくれる映画のひとつが今日、紹介する映画『この世界の片隅に』です!
2016年11月から放映されているにも関わらず、未だに「ロングラン上映中」!!私も2回観に行きました。超おススメ映画です!
あらすじ
太平洋戦争中の広島・呉に18歳のすずが嫁ぐー
1933年、広島市内の江波で浦野すず(8歳)は兄と妹に囲まれ、家業を手伝いながら過ごしていた。1944年、18歳になったすずに、突如縁談の話が持ち上がる。相手は呉に住む北条周作。すずは周囲に言われるがまま嫁ぐことになった。夫の両親は優しく、義姉の径子は厳しく、その娘の晴美はおっとりしてかわいらしい。配給物資がだんだん減っていく中でも、すずは工夫を凝らして食卓をにぎわせ、衣服を作り直し、時には好きな絵を描き、毎日のくらしを積み重ねていく。ある時は、重巡洋艦「青葉」の水兵となった小学校の同級生・水原哲が現れ、すずも夫の周作も複雑な想いを抱える。 1945年3月、呉は空を埋め尽くすほどの数の艦載機による空襲にさらされ、大切にしていたものが失われていく。それでも毎日は続く。この世界にすずは、自分の居場所を見つける事は出来るのだろうか?
「この世界の片隅に」制作委員会『この世界の片隅に 公式パンフレット』2016年11月、表紙ウラより引用
「“しあわせ”って、なんじゃろね?」というすずさんの声
この映画を見て率直に感じたのは、すずさんの生活(戦争時代の生活)が「いいなぁ」という事でした。高いビルがそびえ立ち、防犯対策に目を光らせ、隣人とも顔を合わさぬような現代日本社会の都会暮らしより断然、素敵な生活だと思えました。たくさん悲しいコト、辛いコトがあっても「幸せに!笑顔に!」と頑張って、愛する人と生きられたすずさんは幸せだっただろうなぁと思いました。「ありがとう、この世界の片隅にうちを見つけてくれて」この言葉に、彼女の人生観が集約されていると感じました。
日本は戦争なき70年を過ごし、たくさんのモノに溢れる社会と化しました。「なぜ生きているのか?」と悩む人々も出てきて、自殺者は公表しているのは3万人程ですが、本当は10万人以上いるのではないか、と騒がれています。待機児童は45,000人程います。これが憲法第9条を作った人が描いた社会なのでしょうか?私たち現代人は、経済発展、科学技術の発展を求めすぎて、「人間らしさを失った社会」に生きている様に感じます。新しいモノを生む度、「やったー!」と感じ、モノを創る事で幸せを得ようとしているみたいです。
しかし、本当の「しあわせ」というのは、今あるもの・今、自分が持つものの中から生み出されるのだと思います。道端の野草を摘んで料理を作り、服は昔のものをリメイクし、こしらえて、代々受け継ぐ家に身を寄せる、すずさん。決してお金では買えない、あったかい生活こそが最高の「しあわせ」を生むものなのかもしれません。そして、この当たり前の生活を長く続かせることが「しあわせ」社会を作っていのだろうと考えさせられる一作です。
つまり、皆さんが行動をする時には「○○が留学したし、俺も行かないと!」と焦るのではなく、じっくり考えて「今の私にしか出来ない事は何かな?」という事を軸に行動したら良いのじゃないかなぁ~という事を考えさせられたり、温かな生活が戦争によって破壊されていくのを知れたりする作品です!これでロングラン上映も納得!ということです。